利用の流れと必要な手続き

成年後見制度を利用するためには、家庭裁判所に利用の申し立てを行う必要があります。前記の通り、後見人には多くの権限が付与されることになりますので、慎重に選定する必要があり、適正な人物かどうかを判断された上で利用の可否が決まります。制度利用までの流れとしては、まずは必要書類の用意、次にお住まいの地域にある家庭裁判所への申し立て、受理されたあとは家庭裁判所による審判が行われ、これに通ると制度を実際に利用できるようになります。
必要な書類としては、申立書と申立人の戸籍謄本、本人の戸籍謄本、戸籍の附票、登記事項証明書、診断書、成年後見人候補者の戸籍謄本と住民票、身分証明書、登記事項証明書となります。必要書類は非常に多く、どれが何なのかごちゃ混ぜになって分かりづらいものですので、不安な方は成年後見について弁護士に相談してみることをおすすめします。

費用としては印紙代や登記費用のほか、診断書をもらうための検査費用がかかりますので注意が必要です。印紙代や登記費用についてはそれほど高くはありませんが、検査費用については5万円から10万円程度必要になることがありますので覚えておくと良いでしょう。本人が持っている大切な財産を守るためにも、ぜひ成年後見制度の利用を検討してみてください。

利用の流れと必要な手続き

成年後見制度でできること

成年後見制度と関連のある法律として、民法13条が挙げられます。この法律の中では、成年後見制度の中でも補助人にできることが規定されています。中身を少しだけ見てみると、「賃金の元本の返済を受けたり、預貯金の払い戻しを受けたりすること」「金銭を借り入れたり、保証人になること」「不動産をはじめとする重要な財産について、手に入れたり手放したりすること」などなど、かなりプライベートに踏み込んだ判断まで補助人に任せられることが分かります。この他にも遺産相続の承認や放棄、分割などもでき、贈与や遺贈に関する判断まで任せられるようになっています。

保佐人になると更に権限が拡大されることになり、代理権や取り消し権などを「本人の代わり」に支援できるようになっています。また、後見人は、先述の二つに加えて更に権限が広がっており、日常生活に関わるほとんどの契約に対しても支援できるようになります。補助人よりも保佐人、保佐人よりも後見人の方がより多くの権限が与えられ、より自由度が増すことが分かります。これだけの権限が与えられるからこそ、制度を悪用されないために後見人を慎重に選ぶ必要があり、そのため家庭裁判所が後見人の選定について、また制度の利用について、厳正に審判を行うことになります。

成年後見制度でできること

そもそも成年後見制度って?

そもそも成年後見制度とは、どのような制度なのでしょうか。成年後見制度は、病気などの理由によって判断能力を失ってしまった人が、後見人を設定して権限を与えることによって、判断を後見人に任せるという制度です。近年では高齢化も進んでおり、認知症に罹っている高齢者を中心に、アルツハイマーを患っている方や、若くても自分で正常な判断ができない障がい者なども対象にしている制度となります。

本人は後見人に全ての判断を任せきりにしてしまうのではなく、判断能力に応じて権限を付与することになります。例えば認知症の初期段階ならば、まだ判断能力が皆無というわけではなく、自身の判断を下せる部分もありますが、重度の認知症になると判断能力もほとんど残されておらず、必要な判断を他の人に任せる必要があります。本人の判断能力に応じて、「後見人」「保佐人」「補助人」が決められることになり、それぞれで権限が異なり、また、成年後見制度でできることとできないことが異なりますので注意が必要です。後見人、保佐人、補助人に与えられている権限と可能な法律行為は、民法13条1項によって規定されており、契約の締結や取り消し、賃貸契約や融資契約を結ぶことも可能なケースもあります。

そもそも成年後見制度って?

財産管理と成年後見制度

いつの世にも悪は絶えないもの。悪徳業者による詐欺行為や、傍若無人に金銭をむしり取るような行為には、毅然として立ち向かわなければなりませんが、そういった輩は得てして用意周到で、逃げ道をしっかりと確保しており、なかなか捕えられないのも事実です。悪徳業者を根絶やしにするためには、まずは消費者が自らの身を守り、被害を予防する必要があります。
健常者ならば自身の判断に基づいて、予防や対処も可能ですが、しかしながら認知症やアルツハイマーなどの病気に罹っている、判断能力を有さない方は、予防も対処もすることができません。悪徳業者や犯罪者からすると、こういった社会的弱者は恰好の餌食、標的にしてしまいます。成年後見制度は、このような犯罪者から、判断能力を有さない弱者を守るために整えられた制度で、利用することによって大切な財産を守るための制度なのです。

成年後見制度を利用することは、財産管理を行う上で非常に効果的です。どのように財産管理をしていくのかというと、本人は後見人を選出して、自身の財産の管理を後見人に任せるというものです。しっかりと制度を機能させるためには、後見人の選定がとても重要で、不正な取り引きを行うためにも、適切に対応していく必要があります。当サイトでは、成年後見制度について、この制度の利点や制度を利用することによって可能になること、利用の手続きなどについてご紹介していきます。財産を守るためにも、ぜひ参考にしてみてください。

財産管理と成年後見制度